INTERVIEW 03
――ぶんか社に入社したきっかけを教えてください。
私は他業種からの転職で入社し、ぶんか社が2社目になります。新卒の時から出版社で働きたいという気持ちはあったのですが、なかなかご縁に恵まれず、最初は印刷会社で営業の仕事をしていました。
編集者とも距離の近い仕事だったので、さまざまな本づくりに関われるのはとてもおもしろかったです。ただ、続けるうちに、「やっぱりいつかは、自分の手でコンテンツを作りたい」という気持ちが強くなってきたんです。
ちょうどそのタイミングでぶんか社の求人を見つけました。新卒の時から漫画に関わる仕事がしたいという思いはあったのですが、当時は漫画に限らず、少しでも興味が持てそうなジャンルの出版社を手当たり次第に受けていました。でも、転職のタイミングでは、本当に好きなジャンルを突き詰めたいと思い、漫画に絞って求人を探しました。その中でぶんか社と出会い、入社することになりました。
―― 漫画に惹かれた理由は何だったのでしょうか?
子どもの頃から漫画が大好きだったからです。だからこそ、自分が関わった漫画作品が世に出て、書店に並んだ時には、すごくうれしいだろうなと思いました。
―― 最初はどのような仕事からスタートしたのですか?
入社したばかりの頃は、先輩方のサポート業務が中心でした。漫画のネーム指定の方法や、雑誌の目次・奥付の作り方など、編集の基本的な知識をイチから学びました。2か月ほど経った頃から、作家さんへの執筆依頼も担当するようになりました。企画を考えたり、作家さんと直接やり取りする業務は責任も大きいですが、その分やりがいも大きく、手応えを感じる瞬間でもあります。
―― 今後はどのような事をしていきたいですか?
これからも目の前の作品作りにしっかり向き合っていきたいと思っています。編集者として、読者の方に新しい驚きやときめきを届けられるような作品を生み出すことが目標です。
また、先輩に教わってきたことを後輩に伝えていけるようにもなりたいと思っています。
――やりがいを感じるのは、どんな時ですか?
手がけている作品が「読まれている」と実感できた時が一番うれしいですね。作家さんと一緒に作り上げた作品が読者の手に届き、感想や反響が得られると、大きなやりがいを感じます。中でも、自分たちが力を入れてこだわった部分が読者に刺さっていると、やってよかった、と強く思えます。
――逆に大変な部分はどんなところでしょうか?
一番大変なのは、スケジュール管理です。作品が世に出るまでにはたくさんの部署や取引先が関わっています。複数の雑誌と作品を並行して進めているので、進行状況を細かく確認、共有しながら調整していく必要があります。どうしても予定通りに進められない場面もあるので、早めに各所に連絡して調整したり、臨機応変な対応が求められることも多いですね。
――TL作品の、どのような所に魅力を感じますか?
個人的な意見ですがTLの一番の魅力は、ヒーロー像にあると思っています。例えば、ヒロインをいつどんな時でも溺愛してくれるヒーロー。現実にはなかなかいないのですが、だからこそ作品を読んでいて惹かれるんですよね。一見優しそうでいて実は強い執着心に捕らわれている── そんなギャップがあるキャラクターもとても魅力的ですよね。現実離れした部分にこそ、魅力が詰まっていると思います。
作り手としては、ヒーローの言動が「次はどうなるんだろう?」と読者にドキドキしてもらえるような展開を意識して制作しています。
一方で、ヒロインは「自己投影しやすいキャラクター」であることが大事だと思っています。そのほうが応援してもらいやすいですし、「自分だったらどうだろう?」と感情移入できる余白を残すことも、このジャンルにおいては重要なポイントだと考えています。
日によって違いますが、10~12時に出社することが多いです。
出社したら作家さんや社内からの連絡を確認して、今日やることを整理します。
急ぎのネームやプロットをチェックします。
先生との打ち合わせでは、文面だけでは伝えきれないことをお電話で相談したりします。
直接感想を伝えることで、先生のモチベーションアップに繋がればと思っています。
一段落したら切りの良いタイミングでお昼を食べます。
他部署との定例会議に参加して、担当作や編集部全体の動向を共有します。
先生からいただいた原稿にセリフを入れたり、誤字がないかなどを確認する作業です。
仕事の区切りが良いところで帰社します。