INTERVIEW 08
――ぶんか社に入社した経緯について教えてください。
私はもともと書店で勤務しており、その経験を通じて、次第に出版社で働くことへの関心が高まりました。書店時代は、ビジネス書や技術書など、少し堅めのジャンルを担当していたこともあり、そういった書籍を扱う出版社を中心に応募を続けていて、そのような時に出会ったのが、ぶんか社でした。漫画も昔から好きで、良いご縁に恵まれたと思い入社を決意しました。
転職活動の時は営業職を希望していたのですが、その時点では営業部門の人員が充足していたため、まずは電子書籍を扱う部署で納品業務を担当することになりました。少しずつ電子書籍ストアの営業業務にも関わらせていただき、経験を重ねていきました。いくつかのストアを担当させていただくようになった頃、「紙の営業に挑戦してみないか」というお話があり、現在の紙書籍(コミックス)を扱う営業部門に異動となりました。
――紙コミックスの営業職とはどのような仕事なのでしょうか?
一言で表すと「紙書籍の販路拡大を担う仕事」です。出版社から発行された書籍は、通常、取次会社を介して書店に流通していきます。この取次会社とは、出版社と書店をつなぐ重要な流通の中間業者であり、いわば“問屋”のような役割を担う存在です。
私たち営業の役割は、この取次会社および書店の双方に対して、ぶんか社の書籍(単行本や雑誌)を扱っていただけるよう、提案・交渉を重ねることです。
さらに、紙コミックスの営業においては、作品の世界観を最大限に表現するプロモーション展開も非常に重要な業務の一つです。例えば、大判のポスターやPOP、購入特典などの制作に加え、作家さんによるサイン会の企画や運営も営業が担うことがあります。こうした施策を通じて、書店での展開を促進し、作品の魅力を読者に直接届ける機会を創出します。特に、サイン会などのリアルイベントは、読者と作品、作家との距離を縮め、ファンとの関係性を深める大きな契機となります。
これは、作品のファンと出版社を結ぶ重要な接点となりますので、営業担当者の企画力・調整力・コミュニケーション力が問われる分野でもあります。
書店と信頼関係を築きつつ、作家さんや編集部と連携しながら、作品にとって最適なプロモーションを実現していくことは、営業職ならではのやりがいであり、責任でもあると感じています。
――具体的には、どのように営業活動を進めていくのでしょうか?
書店への営業活動は、店舗への定期訪問とチェーン本部との打ち合わせがメインです。店舗への営業活動は、担当者の方との信頼関係を築いていくことがベースになります。訪問時には、新刊や売れ筋の紹介、メディア化作品の提案、店舗イベントの打診などを行いながら、それぞれの書店の特色に合わせて柔軟にご提案しています。お話する相手は店長さんの時もあればコミックス担当の方の場合もありますが、どちらの場合でも仕事がある中で対応してくださっているので、話したい事をあらかじめまとめておくことと、こちらからの一方的な話にならないことがポイントです。私の場合は、後からでも見てもらえるように、ピックアップした作品の注文書などの目で見てわかる資料を用意するようにしています。
何回か訪問をしていると店員さん側からも質問をしてくれたり、「こういうことをしたい」と逆に提案をいただいたり。そういった提案は極力お断りをせず、どうすれば実現できるのかを考えるようにしています。そのような活動を重ね、店員さんと信頼関係を築いていくことにとてもやりがいを感じます。
チェーン本部とは定期的な会議を実施していて、そこでは販促活動の提案がメインとなります。例えばチェーン限定特典の提案やイベントの提案などです。
さらに、書籍流通の中で欠かせないのが取次会社との連携です。印刷部数と取次の意向にずれが出ることもありますが、丁寧に調整を重ねながら、無理のない適正な配本を実現するよう努めています。
――イベントとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
「イベント」と一口に言っても、その目的や形式はさまざまです。例えば、書店での来店客向けキャペーンや、書店・出版社・販売会社が集まる商談会など、場面によって内容は大きく異なります。
――最近、特に印象に残っているイベントはありますか?
2024年11月に実施した【ぶんか社コミックス6冊同時発売フェア】が印象深いです。特定の店舗でコミックスをご購入いただいた方に、作家さんのサイン入りイラストカードをプレゼントするという企画でした。それに加えて、何か特別な取り組みができないかと検討し、書店・編集部と打ち合わせを重ねた結果、「複製原画の展示」を実施することになりました。
書店内の大きな柱を活用し、原画をぐるりと展示する形で売り場を盛り上げるという試みでしたが、来店されたお客様からの反応も非常に良く、書店の方にも大変喜んでいただけました。こうした取り組みが形になり、実際に喜んでいただけたことは、営業として非常に嬉しく、やりがいを感じた経験の一つです。
書店や取次からのメール対応、出版営業部のXで新刊発売のポスト、HP反映処理などの事務処理を行います。
編集部との会議用の資料を作成します。当社新刊の実績をまとめた資料作成や、今後出る新刊の参考資料に他社実績などを調査します。
書店チェーン本部の担当者と打ち合わせを行います。新刊やこれから出る作品の案内、特典の提案が主な議題です。
担当エリアの書店に赴いて営業活動を行います。新刊や売れ筋商品、一押し商品の案内を行い、受注を取ることが目的です。また、今後出る作品の店頭展開の依頼や、他社動向も含めた情報収集なども行っていきます。
書店回りで受注した商品の発注処理を行います。その他にも未処理のメールや案件の対応をします。